秋代の秋はオータムの秋

 忙しい束の間のウィンドウショッピングというか、そんなオサレなものでもなく要するに街をプラプラしてみたんだけど。
 なんか落ち着かないというかマスプロっぽいしょーもない質感だな、なんだろうこれ、と思ってたんだけど、それがなんとなくわかった。
 秋が無いんだ。 
 雑貨店とかのディスプレイの、記憶を逆算して出てきたのは「ハロウィン」、これだ。 前々からクリスマス商戦を11月からやってる時点でアホかと思ってたんだけど、それと同じ位のパワープレイをハロウィンでやっちまってるんですね。 つまり、まだ残暑もある9月の半ばからカボチャのディスプレイやら魔女コスプレやらでハロウィンを煽り10月末まで引っ張り引っ張り、11月になったらカボチャ引っ込めて早速クリスマスのディスプレイにしちゃった。まだ2ヶ月もあるっての。
 つまり、食欲の秋とか芸術の秋とか実りの秋とか、そーいうのがノー天気なツラのカボチャ仮面に蹴り飛ばされて、どっかいっちゃったんだな。
 まあわからないでもない。 実りとか芸術とかそういうものをどうディプレイするかってのは難しいかもしれないし。 対して、日本的ハロウィンにするなら暗幕かけてカボチャをディスプレイしておけばいい、バカでもできる仕事。 でもそんなんばっかりやってると情緒も風情もなくてさ、ありていに言うと「つまんない」のよ。 マスプロ臭いの。
 つーことでショップのディスプレイ担当の皆様、日本じゃハロウィンなんてカボチャのプディングくらいしか風物詩的な楽しみは無いんで10月後半の2週間程度にちゃちゃっとやっちゃうことにして、せっかく四季の織り成す風情のある日本、秋らしい味わいのあるシーンを作ってくださいよ。
 「春夏冬中」と書いて「あきないちゅう」と読む…言葉遊びとしては面白いけど、本当に秋を無くしちゃってどうすんの。