尾道三部作のジャンルは「尾美としのり」byミル姉さん
「おう、アニメは動画の枚数で質が決まるのか?!」(鈴木みそ『銭』より)→コミック 銭 1巻 (Beam comix)
「時をかける少女」の、アニメ的動きの「ような感じ」
映画「時をかける少女」、渋谷で観たらなかなか面白かったので、旧作(原田知世・尾美としのりver)をDVDで見たいなと思ってHMVとか回ってみたのだけれど、リメイク版( 中本奈奈・ 中村俊介ver)しかなくてビミョー(笑)
さてアニメ版。
アニメ版のストーリーは原作とは一応別物です。 原作版の主人公である芳山和子が、この映画の主人公である紺野真琴のおばさん?として登場しますが、彼女の過去のエピソードは本編にはまったく出ず、単に「タイムリープ」(時間移動)という現象があることを主人公に示唆する程度です。
ストーリーや演出に関する話は、ネタバレが嫌な人もいると思うので割愛。 笑いありハラハラあり涙ありのエンターテインメントに仕上がってます。
作りは、「低予算ながら良質に作り上げた」ような感じに仕上がってます。 時間移動のシーンはデジタル的な、見るからにCGな演出ですが、それ以外の人間ドラマの部分は、背景の3Dレンダリングどころか多重スクロールもズームもほとんどなく、シンプルに、静止画背景に人物の手描きセル画を重ねて一枚一枚パラパラやってるような感じです。
でも少なからず「これセル画じゃなくてCG(3Dも2Dもアリ)合成した上で手描き風にしているんじゃないかなあ」と思える個所があって(すぐわかるようなものから一見気づかないものまで)、すべてが「古きよき職人的アニメーター技術」で作られてるわけでもなさそうです。
というか「新しい技術を使っているんだけど古い技術で作ったような感じにみせる」ということをやってるんじゃないですかね。 たとえば最近のテレビアニメでも、3Dから2Dにトゥーンレンダリングしてるのありますけど、動きがヌルヌルしてて「アニメの味」がしなかったりする。 それじゃダメなんで、所々ヌイたりタメたりして手描きによるコマ割り感を出さないといけない、そういうこと。
そして、これまで静止画背景が多用されてて、あるシーンで登場人物のバストアップ固定の場面、これも静止画かと思ったらよく見ると 10秒で画面の数%程度 のゆーっくりとした動きをしているとか、へー成る程、とか思っちゃいました。
とはいえやっぱり全体的には、あまりお金は物量作戦的にはかけていないんでしょうね。
そして、「時間をさかのぼってさっきと同じ場面になる」というストーリー、つまり同じ画像を繰り返し使えるからこそ予算的に折り合いがつくのであって、同じスタッフでも同じ予算で同じクオリティで別の作品を作れとなったら難しいでしょう。
何はともあれ、CGキャラとか動かす事に興味ある人は、観て損はないと思います。