「自己責任論」の言いだしっぺ、本当は誰?

なんか今週頭あたりから、ヘンな論調が台頭しかけている。「自己責任論を問う」みたいなやつ。 大筋で言うと、

人質拘束 → 人質解放 → 与党・閣僚から「自己責任論」噴出 → 保守系マスコミが煽る → 国民に伝播

みたいなの。でも、これヘンじゃない?
 まず、出来事の時系列についてはここがくわしい。
[イラク]日本人拉致関係まとめ→ http://pwiki.chbox.com/news/pukiwiki.php?iraq_rachi#content_1_5
で、TBSラジオ・バトルトーク「アクセス」4/9を見ると → http://www.tbs.co.jp/ac/bt/20040409c.html

2004年4月9日(金)のテーマ
イラクの日本人人質事件で小泉総理は、「自衛隊の撤退はない」と明言。
あなたは、小泉総理のこの発言を支持しますか?
A 支持する   3666
B 支持しない 284
C -      88

ものすごい勢いで「自己責任」「自業自得」という言葉が出てくる。
邦人拘束発覚は4/8夜。そしてこれ(アクセス)は与党・閣僚から「自己責任論」が出る以前の集計。 これらを見る限り

人質拘束 → 国民間に「自己責任論」蔓延 → 人質解放 → 与党・閣僚・保守系マスコミの「自己責任論」解禁 → 祭り

が正解。 つまり、「人質事件」第一報から24時間たらずで国民の間に「自己責任論」がこれだけ出ているということで、「そもそも与党・閣僚の発言が発端だ(そこからマスコミに伝播、そして国民に伝播、の順だ)」という見解は、すでにおかしい。
 さらに言えば、与党・閣僚からの「自己責任論」の内容は、国民間の「自己責任論」と大差ない。 ということは、一般論として「自己責任論」を問えばいいはずだが、現実は与党・閣僚の「自己責任論」のみ問うている。 じゃあ「国民ではなく与党・閣僚がいうのがマズい」という論点かというと、そういう訳でもない。
・・・???
 どうやら、マスコミは「自己責任論」の言いだしっぺを「与党・閣僚」に置き換えようとしてるぞ?
 とりあえず今週末の報道バラエティは要チェック。