漫画描く人は読んどいてもいいかも。

人は見た目が9割 (新潮新書)人は見た目が9割」(竹内一郎)新潮社
 文筆家で舞台演出家の竹内氏ですが、この名前だとピンときませんが、ペンネームが「さいふうめい」だと言えば、ああ『坊や哲』の原作者か、とわかる・・・というのはオタクなんでしょうか(笑)。
 なかなか刺激的なタイトルですが、内容はというと、バーバル・コミュニケーション(言語伝達)以外のノンバーバル・コミュニケーション(非言語伝達)というものが持つ情報量というのはかなり多く、しかし一般にはそういう知識やノウハウは「使い」こなされていない・マニュアルとしての「明文化」もあまりなされていないよ、というお話。 「語気」とか「じっと相手を見つめる」とか、「色」「匂い」「服装」というものもノンバーバル・コミュニケーションに含まれて、それらも全てひっくるめて「見た目」と言っているので、「見た目が9割」というのは数値はさておき意味合いはわかります。
 確かに知識やノウハウというのは文章で残すのがセオリーで、文章・言葉とは違うものだからノンバーバル・コミュニケーション、だからあまり知識として浸透しにくいというのは理解できます。 で、「漫画家というのはそれを『テクニック』でやってのける、と思われている」と。 ああなるほど。 ま、知識を門外不出にすると確かに「技」として通用しますもんね。
 「漫画なんだから、文字(セリフやト書き、オノマトペ)じゃなくて絵で説明しろ」とよく言われたりしますが、それは要するにノンバーバルな伝達手段を使えってことで、そういう時どうすれば良いかという知識を習得するコツをつかむにはいい本だと思います。
 いや別に、この本自体は漫画家志望者に向けて書かれているわけではないと思いますけどね(笑)