素人は時に怖いもの知らず

 夏期休暇がこの週末で取れたので、「どこか行くの?」の問いに「ちょっとコミケ行ってきます」と半分冗談で答えたら、WEBコンテンツ企画担当のNさんに
「お願いがあるんだけど…やおい本いくつか買ってきて。」
と言われた。 しかも大真面目に。
 曰く「なんか、儲かるんでしょ?コンテンツに取り込めないかと思って」
 これまで蓄積してきたクールでスタイリッシュなブランドイメージをウホッでアッーにする気かあんたゎ(笑) 周囲もきょとんとしてて、Nさんも「やおいってなんかの略ですよね、えーと、ヤマなし、あと何だっけ」というレベルで、つまり皆さんオタク知識がない。
 とりあえず「いやあのー、要するに美少年エロ本なんで、つまり嫌です」と答えておきました。


たまごまごごはん - オタクにとって「足りないのは覚悟」か?
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20070816/1187109472

  • 「オタク」という言葉と、「ミュージシャン」や「アーティスト」や「スポーツマン」も同列に並べてみます。全部趣味であれば、同じだ、と考えられるようになったとき、自分は途端に気楽になりました。人はどう思うかわからないけど、趣味は趣味です。

ねこみち。のたまに写真やイラストが付く日記 - オタクとしての心意気
http://d.hatena.ne.jp/gokudoh/20070817#p1

  • 「アニメ好き」「漫画好き」っていう、振れ幅が大きい趣味を他人に無防備に晒すって言うのは、怖い。
  • 「スポーツ好き」とかだと、自分がどういう人間であれ、話す対象がどんな人であれ、「ジャンルコード:さわやか」である程度反応が決まっていると思うんだけど…「アニメ好き」「漫画好き」は、自分がオタクっぽい成りだと例え宮崎アニメ好きでも「アニメオタクなんだって〜www」ってなりそうだし、対象ジャンルがアレだとどうやっても悪い意味でのオタク呼ばわりされそうだし。

 私の場合は自身がオタクであることをストレートに仕事上の武器にしてるんで(上述の通り周囲はことごとく非オタク)特殊かもしれないのだけれど…
 趣味について何が「楽しい」か考えるとき、「自分が楽しい事そのもの」と「その楽しさを相手に伝える事、つまり共感」の2つがあると思います。 で、実はこの2つは必ずしも一致しない。 共感してもらうには相手にそのベースがないといけないんです。 たとえばうちの父親にドラゴンクエストの面白さをわかってもらうのは多分無理で、「剣と魔法」について判ってもらうところからはじめないといけない。
 さて、オタクネタというのは基本的に「情報/知識」なんですよね。 これは実はラッキーな事で、要素の1つ1つを

  • 「相手が知っている事」
  • 「軽く説明すればわかること」
  • 「よくわからないけど何か“そういうもの”で済ませられること」
  • 「理解できないこと」

というように『分類』して、「理解できないこと」以外をバランスよく組み合わせてトークすればいい。 肝心なのはオタクネタを素人向けに『分類』できるかという『"普通の人"感覚』を持ち合わせているかということ。 それさえ出来れば、趣味というのはまあ、そこそこ理解してもらえると思うのです。
 たとえば「ズレータのモノマネ」をいきなりやっても「何この人??」なんですが、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」というベースがあって「バッティングボックスに立つダイエーホークスズレータ」とやると、まあズレータを見たことはないとしてもネタとしては成立するわけです。
 つまり理解なんて要らないやというなら『覚悟』共感が得たいなら『情報整理』と『プレゼン』が大切、ということです。
 自分の知らなかった世界を説明してもらうのって、面白いでしょ?  てことは同じ事を相手にしてあげれば、面白がってもらえるんですよ。



 でもね、やっぱりうちのWEBコンテンツにやおいを盛り込むのは嫌ですNさん。(笑)