これはクリスマスプレゼント?

 もともとの政府発表がわからないのと、さらにそれが新聞報道というフィルタがかかっているのとで、かなりあやふやな記事なんだけど。とりあえずリンク元の記事は目を通してね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041224-00000301-yom-pol
1億人が首相ウオッチャー!?政府、動画の配信開始へ

  • 政府は来春、インターネット上に動画配信サイト「政府インターネットテレビ」を新設する。小泉首相の日々のインタビューなどを映像で提供するもので、首相を身近に感じてもらい、支持率アップにつなげたい考えだ。3月に試験運用し、4月から配信を始める予定だ。
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  • 配信する動画の“目玉”になりそうなのが、首相官邸で毎日、記者団が首相を取り囲んで質問をぶつける「ぶらさがりインタビュー」だ。内閣府では、「テーマが決まっている記者会見などとは異なり、首相の人間性を垣間見ることもできるのではないか」としている。このほか、首相の公式行事出席の様子や政府公報を配信する予定だ。
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 例によって(笑)ピックアップ。問題なのはこの文章。

小泉首相の日々のインタビューなどを映像で提供するもので、首相を身近に感じてもらい、支持率アップにつなげたい考えだ。

  1. 小泉首相の日々のインタビューなどを映像で提供するもの
  2. 首相を身近に感じてもらい
  3. 支持率アップにつなげたい
  4. 考え

 1.は発表した事実。2.も多分、説明に使われた言葉。
 で、3.と4.と連携する内容で4.の補語、4.は動詞化すると「考える」で、その能動態主語は「政府」。 ・・・・ところが一般に「考える」だけでは物事は伝わらないのであって、したがって「○○は考えた」というのはニュースとしてありえない。 
 つまりこれは「「誰が」みているの?」 http://d.hatena.ne.jp/irose/20041215 に書いた「『と見られる』方式」 と同じ構図で、「政府は支持率アップにつなげたいと考えていると(記者)は判断した」という風に読むのが妥当。
 だからそういう報道よせっての。


 さて肝心の内容の評価の前に、ちょっと確認したい。 あのー皆さん、動画配信あってそれを見られるからという理由で、政治家の支持率をUPさせたりしますか? 単に動画(動く画像)というなら、テレビでも充分なかれてますよね。


 パンダじゃないんだからさ。
 「わー動いた動いた!支持しちゃう!」て、アホかと、バカかと。


 つまり、「動画配信して支持率が上がる」となると、それは単に動いているから、ではなく、配信されるコンテンツに従来品との差異があって、その差異が支持される要因になるということ。
 従来品との差異は何かと言うと、というかそもそも、従来品と言うのはつまりマスコミによる報道。 そして同じ取材対象(記者にぶらさがられてる首相)なのに差異が生じるとなると、それは「マスコミが、ぶらさがり取材しておきながら伝えない部分」ということになるわけで。
 ということは、動画配信で支持率がUPするとすれば、それはとりもなおさずマスコミの取材&報道体制への不信の表れである、ということですね。


 あと言われるだろうと思われるのが「政府に都合の言いように編集されて配信されるのでは」ということなんだけど*1、それはマスコミ報道がフォローするはずだから大丈夫。
 それと、「何か目新しいことやることで国民喜ばしそうとして」てのもありそうだけど、東京都も同じことやってるし、「インパク」ほどのインパクト(笑*2)はないし、「ガラス張りの知事室」よりはパフォーマンス性ないし。


 TVのHDD録画も当たり前になってきているし、マスコミと同格程度のの情報発信がなされる(それも民間圧迫なく)というのは歓迎すべきでしょう。
 つーことでこの試み、評価したいと思うのです。

><

*1:勝谷誠彦とか佐高信あたりが言いそうだけどさw

*2:おやじギャグ