メディアリテラシーの話でも。

　↓小泉首相の靖国参拝速報について、新聞社各社の速報（社説ではない）を一揃いまとめてあります。

木走日記：徹底検証！小泉首相靖国参拝速報〜マスメディアは自己主張しすぎ
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20051017

速報とは本来事実報道だけに徹するべきなのに、首相の靖国参拝に対する各紙のスタンスが香ってくる微妙な言い回し・ニュアンスの違いが出ていて、これはとても興味深いです。

　「速報なのに各社の見解が入ってる」というのはまったくその通り。　それについてはリンク先のコメント欄にも「これはすべて「参拝実施前」の記事である」という指摘があり、で、「参拝が「近隣特定3国の強い反発」を引き出すのが自明」で「つまり「外交上のニュース」という指摘が入ってました。　自明であることはその通りなんだけど、

Irregular Expression：小泉首相靖国神社参拝
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/200510171330.html

すげーな。ただの「反発」じゃないよ「激しい反発」「猛反発」だって。気合が入ってるなぁ。

というのもその通りで。
　ああ、マスコミが騒動ボリュームを調整しているな、という感じです。しかも国際レベルで。迷惑な話だ。

　で、実際いつも通りの「遺憾表明」があったわけだけど。
　ただ、韓国はさておき中国はさ、体裁上は「怒り、遺憾表明」するけど、本音の感情としては「泣きたい、頼むから止めてくれ」なんじゃないかな。
　オリンピックまでのこり３年しかないじゃないですか。　中国に関しては「本当に開催国にふさわしいのか？」というようなことが散々言われているわけで、だから例えば先にあった日本大使館へのデモみたいなことは、あっちゃ困る。　あと日本海近郊の石油についても、「日本が歴史認識を正しくし、靖国参拝を止めれば共同開発を考えなくもない」みたいな事をつい数日前に言ったばかりで、さて実際に靖国参拝されちゃってみると、「共同開発はしないっ！」と言えるかというと言える訳がない。　そんなことしたら国際社会の笑いものになる。
　つまり、日本の首相が参拝したことを口火に中国自身が何かできるかというと、実は直接には何もできない。　せいぜい、ミサイルを日本に向ける意味の正当化（日本は軍国化にむけて歩んでいるからどーたらこーたら）位のもの。
　でも「怒り、遺憾表明」する。　まあ理由の一つは面子でしょう。　で、実はこの理由が大きいんじゃないかと思うのが、「日本人同士で勝手にドタバタしてくれる」ということ。　案の定というか、

「首相は参拝すべきでない」民主党の前原代表が東京で講演
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005101700156

なんて、あーあやっちゃった、って感じで（「人生を終えても責任を取り続けるからこそ、国民の負託を受けている」ってあーた・・死んでも罪は残るって考え方は非常に中国的だなあとか思うんですが）、なんかコメンテイターも湧いてでて、いい感じに混乱してますわね。
　んで、民主のほか公明・社民・共産の党首にインタビュー（あと、自民安倍氏、か）・・は恒例なんだけどさ、
なんで国民新党・綿貫民輔党首にはインタビューしないのだマスコミは！？
とか思っちゃうわけです（インタビューした場合、答えは「参拝、何が悪い」だと思いますけどね）。　野党で小泉と同じ意見だと困るのか、と。まあとにかく、騒ぎの増幅を仕向けているのは間違いなくマスコミでして、お前ら、マッチポンプいい加減にしろと。　いや、ポンプは無いか。

　とか思ってたら。
　またONISHIか・・

Koizumi Visits War Shrine, as He Pledged
http://www.nytimes.com/2005/10/17/international/asia/17japan.html
By NORIMITSU ONISHI

　War Shrineって・・・この言で言えば関帝廟もWar-God Templeだよなあ、ってこれ昔も言ったような気がする。