デスノート(前編)

 「デビルマン 2点」の人に(http://movie.maeda-y.com/movie/00744.htm)にダメ映画といわれた作品ですが、どうもこの人(前田有一氏)、「自分が原作を知ってる作品にはカラい」みたいですね。
 そもそも週1回紙メディアでリリースされてコミックス10巻になるものと、ムービー120分(前後編あるから ×2)が、同じになるわけがないんで、原作の魅力との差を連呼したところでしょうがないと思うんですよ。 あの頭脳戦は毎週「次回に続く」が行われることで保たれるテンションによるものなわけで。
 そんなわけで映画版、原作とはかなり「感触」が違います。
 が、面白くないかというとそんなことないです。 とりあえず夜神月が大学生というところから話が始まる時点でストーリーはかなりアレンジされているということで。
 「頭脳戦」云々ばかりが先行して、そして主役は月とLという感じで捉えられていますが、どちらかというとポイントはノートの持つ「魔力」、主役はノートそのもの、ではないかと思います。 ノートの持つ特性・・切っても有効、触れると死神が見える、等・・、そして根本的な「死をコントロールできる」ということによる「トリック」と「処刑感」、そういったものを観せようとしているとわかれば、vs南空ナオミのトリック(?)なんかはむしろ納得がいくんだけどなあ。 
 ただ、役者に大根感があるのはなんなんだろう。 台詞の「間」が何となく棒。 全員が藤原竜也に合わせた、とか?(笑)
 あるいは、吹き替えや字幕を前提にした配分とか。 つまり海外興行を考えると、原作にあわせた小難しさはむしろマイナスで、見栄え良いシーンが在るようにストーリーを作って、月は「捜査を狡猾(wise)にかいくぐってノートを使う」という程度にしておくのが丁度いいのではなかろか。
 そんなわけで

  • 原作どおりではない
  • かなり軽い(人類最高の頭脳戦、というほどでもない)

ということだけ把握しておけば、普通に楽しめると思います。 ポップコーンは甘ーいキャラメルポップでどうでしょう。