アメの影にあるムチ

オールナイトライブ (3) (アスペクトコミックス)鈴木みそ
特に意味は無い、てか、id:FUKAMACHI:20070509さんへのオマージュw



自動ニュース作成F 経由
http://news.2-3-0.org/comment/comment_200705_362.php

ストリートミュージシャン認定ガイド
http://www.86kashiwa.net/street/stmn_GD.htm

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 とりあえず例によって道路交通法にリンク⇒http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html
 まあ元々、ストリートミュージシャンというかストリートパフォーマンスってのは道路交通法違反なんですね。 条文はこれ:

(禁止行為)
第七十六条
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。

  • 二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
  • 七  前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

 じゃあ何で実際のところは演奏できてるかというと、基本的には「お目こぼし」です。 よくある若気の至りだよねとか、これぐらいなら目くじら立てる程でもないか、とかで、警察・自治体・ご近所と言った「社会」が、ゆるーく泳がせてあげている。
 また、駅前とか繁華街というのは、にぎやかなほうがいいというのもある。 活気があるほうが人が集まって、消費も増える。 消費も増えれば税収も増える。 コミケのパロディを黙殺したほうが企業としても有利だったりするようなもんです。
 ただ、

しかし、近年ごく一部のストリートミュージシャンによる行き過ぎた行為が目立ち、騒音等による苦情が寄せられています。

 当たり前ですが自治体としては、住民から苦情があった場合は対応しないといけない。 放置すれば裁判になり得ますし、そしたら確実に負ける⇒損害賠償金の支払い、となりますから。
 そうなるとこのジレンマを解決するため、単なるお目こぼしではなくそれなりの線引きをしないといけない。 そこで:

(道路の使用の許可)
第七十七条

  • (細かいので略)

(道路の管理者との協議)
第七十九条

  • 所轄警察署長は、第七十七条第一項の規定による許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が道路法第三十二条第一項 又は第三項 の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ、当該道路の管理者に協議しなければならない。

道路法」はこれ⇒http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO180.html
(大雑把に言うと、道路そのものの説明を記したのが道路法、道路の安全な使い方を記したのが道路交通法です)

(道路の占用の許可)
第三十二条  道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。

  • 七  前各号に掲げるものを除く外、道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物、物件又は施設で政令で定めるもの
  • 3  第一項の規定による許可を受けた者(以下「道路占用者」という。)は、前項各号に掲げる事項を変更しようとする場合においては、その変更が道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のないと認められる軽易なもので政令で定めるものである場合を除く外、あらかじめ道路管理者の許可を受けなければならない。

 これを適用してやれば、苦情は減って(ゼロにはならないけど御しやすくなる)、活気も保てるというわけです。
 ただ、いきなり行政で「ストリートミュージシャンという道路利用形態を認めます」と言っても通らないので、「柏駅周辺イメージアップ推進協議会」という名目を先に掲げて、その達成のために、柏市の道路利用形態としてストリートミュージシャンを加えた、というのがこの「ストリートミュージシャン認定制」、といえるでしょう。



 注意しないといけないのは、「私たち柏駅周辺の商業関係者は、行政と協力し柏駅周辺をイメージアップしていくために、ストリートミュージシャンの若さと情熱を応援します。」と言っておきながら、場所のお目こぼしと音量のお目こぼし以外は、何ら協力していない、ということです。 「ストリートミュージシャン認定証」というのは別に「柏でストリートミュージシャンやってるんだぜぃ」という看板などではなく(無論看板としても使えますが)、上述の法的手続きで発生する「法的書面」と見るのが順当で、ここにあるのは

 ストリートミュージシャン認定ガイド
http://www.86kashiwa.net/street/stmn_GD2.htm
認定を受けようとするストリートミュージシャンは,以下の「柏ルール」を遵守することを書面で誓約していただきます。
「柏ルール」(抄)

  • 発電機・アンプ・ドラムを使用しないこと
  • 活動時間を守ること 午後10時30分までに演奏等を終了し午後11時までに撤収すること
  • 歩行者通行への配慮 また,観客に対しても地面に座り込んで通行を妨げないなど協力を呼びかけること
  • 現状回復と清掃徹底 チラシ等が散乱しないように掃除を行い,演奏場所周辺のゴミ拾いなどを行うこと
  • 販売行為をしない
  • その他 演奏活動に伴う事故,紛争,損害等に関しては,自己責任において解決すること

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 基本的に「禁止事項の列挙」です。 いやまあ、この禁止事項守れないってどんだけ社会適応力ないんだよっつーレベルではあるんで大方問題ないんですが、とにかく禁止事項です。
 これでどうなるかというと、上にも書きましたけどストリートミュージシャンてのは元々道路交通法違反であるわけで、つまり演奏していたら警察は職務質問の上、やめないならしょっ引けるんですね。 ただこれまでは上述のジレンマもあって、どの線引きで職質すればいいのか判断が難しかった。でも今後は簡単で、

  • 認定証が見られなければ「認定証が提示されていないようだけど?」で職質⇒しょっ引く
  • 柏ルールに沿っていなければ「「柏ルール」を遵守する誓約をしてますよね?」⇒しょっ引く

となる。
 つまりこの「認定証」、ストリートミュージシャンを甘ぁく保護しましょうなんて楽しいものではなく、お目こぼしの範囲をクリアにして、しょっ引く基準をクリアーにしたものなんですね。 グレーゾーンでのダダコネを許さないよ、と、実態は結構キツい。



 ま、「なぜ街角で歌うか」目的を考えた場合、大抵この誓約(制約)は目的達成になんの支障も無いんですけどね。 あるとしたら自ニュFのコメント「行政に反発するのがかっこいい」ぐらいのものなんだけど、だとしたら、そういうやんちゃっ子の「反発の手」をすべて封じたという点でほぼ行政の「勝ち」。あとは「歌い逃げ」か「職質の警察を殺す」しかないが、後者はまず逃げ切れない*1
 現実は「歌い逃げ」でしょうね。 初犯はお目こぼしがあるだろうし。 ってどこまで甘いんだw



おまけ
神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)
やはり意味は無いw


ストリート パフォーマンスのあり方については、この辺がわかりやすい。
都市研究センター(http://www.h3.dion.ne.jp/~urc-mint/
中心市街地でストリート パフォーマンス(PDF)
http://www.h3.dion.ne.jp/~urc-mint/u37hisa7.pdf

許可、あるいは禁止、あるいは無断で行う事、については以下が面白いかも。
残響通信「無断転載したものは殺す」について
http://ish.parfe.jp/zankyo/zankyo/zankyo15/zankyo152.html#mudan


*1:・・と思ったのだけど、SATが殺されるという事件がおきた直後なので強くは言えない・・ただ、この犯人、最後は命乞いというみっともない状況だったらしいけど。