2006/8/15靖国神社参拝後記者会見の模様

 「小泉総理は運が強すぎる」 http://yasz.hp.infoseek.co.jp/ のyasz氏が、8/15日の小泉首相の会見を全文テキスト起こしをしていました。 仕事が早いですねえ。
 というわけで、yasz氏に感謝しつつ「卵をひとつのバスケットに盛ってはいけない」ということで丸ごと引用させていただくことにします。
 改行とHR入れ以外は原則としてそのままです。

ヤスツ(実況id:fjIaBIYe)書き起こし版全文テキスト
http://yasz.hp.infoseek.co.jp/log2/20060815comments.htm

YouTubeにUpされたスパモニソースを元に書き起こし。
http://www.youtube.com/watch?v=KAyLT7b-dZg
NNNの無編集完全版を元に書き起こしを補完。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn/20060815/20060815-00000038-nnn-pol.html
※意訳を排して話し言葉そのままを収録したため、一部文法的にわかりにくい箇所がありますが、原文通りです。



――総理、今回はどのようなお気持ちで参拝されましたでしょうか
小泉総理:
これは毎回申し上げているんですが、日本は過去の戦争を反省しつつ二度と戦争を起こしてはならない。そして、今日の日本の平和と反映というのは、現在生きている人だけで成り立っているのではない、と。戦争で尊い命を犠牲にされた、そういう方々の上に今の日本というのは、今日があると。
戦争に行って祖国のためまたは家族のため命を投げ出さなければならなかった犠牲者に対して、心からなる敬意と感謝の念を持って、靖国神社に参拝しております。今年もその気持ちに替わりはありません。
今までの私の過去五年間の私の靖国神社参拝に対する批判をよく考えてみますと、おおかた3点に要約されるんじゃないかと思います。

まずひとつはね。
「中国韓国が不愉快だと反発してるからやめろ」
という意見。

これはどうですかねえ。
私は日中日韓友好論者なんです。就任以来、現に中国や韓国との友好交流様々な分野で拡大を続けています。そういう中でどの国ともねひとつやふたつ意見の違い、対立はあります。それでひとつの意見の違いがある、不愉快なことがある、と。それによって首脳会談を行わないことがいいのかどうか、と。
私はいつでも首脳会談を行う用意があると言ってるんですよ。
しかも靖国神社参拝を条件にしてね。この参拝をしなければ首脳会談を行う、と。するならば首脳会談を行わないというのが、果たしていいのかどうか。
私はこれはよろしくないと思っています。

日本の首相というのは、民主的な手続きを持って選ばれた首相であります。
日中間、日韓の間にはさまざまな課題もある。私は今までの日中首脳会談、日韓首脳会談においても未来志向で友好を図っていこう、と。お互い、相互互恵、相互依存関係を深めていこう、と。

中国の発展、韓国の発展というのは日本に脅威というよりは、日本にとってもチャンスなんだ、と。ゆうことをはっきり表明して、未来志向で友好・交流を進めていこうということを申し上げているんです。

それに対して私を批判する方、「これはしかし中国がいやがってることをやるな」、と。つきつめていくと中国・韓国が不快に思うことはやるな、と。そういうことでしょ。これについて批判することをどう思うか。
もし私がひとつの問題で私が不愉快に思う、ま仮にね、中国韓国が日本の安保理常任理事国入りに反対しています。これは日本にとっては不愉快だと。だから私が中国韓国と首脳会談を行わないと言ったら、どちらを批判するでしょう。私は中国が反対しても韓国が反対しても、首脳会談をいつでも行いましょう、と言ってるんですよ。

今回もそうですね。私が拒否してるんじゃないんですよ。

ていうことは、中国のいやがることはやめなさいというのが靖国批判のひとつですね。中国に不快な思いをさせちゃいけません、中国の言うことを聞きなさい、韓国の言うことを聞きなさい、そうすればアジア外交がうまく行きますよ。

私は必ずしもそうじゃないと思いますね。
ひとつやふたつ、どの国の意見の違いやあたりさわりはあります。そういうものを乗り越えて未来志向で友好関係を進展させていくのが日本としても他国としても大事じゃないでしょうか。

中にはね、小泉はアメリカと親しい、と。アメリカのブッシュ大統領靖国を参拝するなと言えばしないだろう、と。そんなことはありません。ブッシュ大統領靖国に参拝するなと言ったとしても私は行きます。もっともね、ブッシュ大統領はそんな大人げないことは言いませんけどね。



もうひとつはね。A級戦犯が合祀されてるから行っちゃいかんという議論。

これはね、私は特定の人に対して参拝しているんじゃないんです。
この戦争で苦しい思いをされ、できれば避けたかった戦場に行きたくなかった多くの兵士がいるんですよ。そういう方々の気持ちを思ってね。なんという苦しい辛い体験をせざるを得ない時代に生まれたんだろうか。そういう犠牲者に対してね。心から哀悼の念を表すべきだな、と。
これ日本の文化じゃないでしょうか。
特定の人がいるから後の人のことは考えなくてもいいと。一部の自分では許せない人がいるからといって、それより圧倒的多数の戦没者の方々に対して、哀悼の念を持って参拝するのがなぜいけないのか。
私はA級戦犯のために行ってるんじゃないですよ。多くの戦没者の方に哀悼の念を表する。二度とこのような苦しい戦争をさせてはいけない。そういう気持ちで参拝しているんです。



それと第三点。

憲法違反だから靖国神社に参拝しちゃいかんという人がいます。
これもね憲法第9条、19条、20条これをよく読んで頂きたい。
私は神道奨励をするために靖国神社に行ってるんじゃありません。また過去の戦争を美化したり、正当化したりするために行ってるんじゃありません。また軍国主義を称揚する、そういうような気持ちで行ってるんじゃありません。
今申し上げたように、二度と戦争を起こしてはいけないと。

戦没者に戦争に行って倒れた方々、犠牲を片時も忘れてはいけないとそういう気持ちでお参りしているんです。そして第19条の「思想及び良心の自由はこれを犯してはならない」。これどう考えますか。まさに心の問題でしょう。これを日本の首相が日本の施設にお参りするお祈りする、それを外国の政府がもっともだと言って小泉を批判する。これが本当にいいことなのかどうか。今の日本の誰にでも許されている自由という問題をどう考えるのか。


私は伊勢神宮にも毎年参拝しています。そのときには何名かの閣僚も随行しています。別に私は強制していません。そして皆さん(マスコミ)の前で神道形式に則って伊勢神宮に参拝しています。そのときに憲法違反という声は起こりませんね。なぜなんでしょう。

私はこういうことから賛否両論はあっていいんです。日本は言論の自由が認められていますから。今までもこういうことを私は答弁なり普段の話でしているんです。今回もまったくその同じ気持ちで参拝しているんです。



――なぜ今回、終戦の日の8/15を選ばれたのでしょうか?
総理:
これはね。最初、多くの方々が8/15だけはやめてくれ、と。様々な方から言って参りましたね。そういう方々の意見も聞かなければいかんな、ということでね。敢えて15日を避けて参拝してきました。8/13、或いは4月、10月、1月、と。
しかし8/15を避けてもいつも批判・反発する。

そしてなんとかこの問題を大きく取り上げようとする勢力。変わらないですね。いつ行っても同じです。
ならば今日は適切な日ではないかな、と。
今日はこれから戦没者の追悼祈念式典も行われます。私はこれから千鳥ヶ淵戦没者墓苑にお参りします。戦没者の追悼式典にも出席します。
適切な日だな、と判断いたしました。

――去年参拝した際は昇殿せずに記帳もしませんでした。今回の参拝はモーニング姿で内閣総理大臣として記帳もしたということなんですけれども、その理由についてお聞かせ下さい。
総理:
今お話したようにね、今日は戦没者の追悼式もありますし、千鳥ヶ淵戦没者墓苑にもお参りしますし。そのときにはこの服装で行きますしね。
私はきっちりと昇殿、本殿に参拝したほうが今日は皆さんが騒いでいますから。あのような去年みたいな形で行くと警備の方も大変でしょう。皆さん、大勢の方がみえてるしね。そういうことも考えて本殿に参拝するのが適切じゃないかなと思いました。

――二回目の参拝の際に所感の中で総理が終戦記念日やその前後の参拝にこだわることで、再び内外に不安を抱かせることは私の意に反するとしていました。今日の参拝はその所感と矛盾するのではありませんか?
総理:
矛盾しません。
それは過去五年を踏まえていつ行っても問題にして混乱にしようとする勢力があるんです。それはもう仕方ない。
そういうことを踏まえて過去の経験が生きてきたんですね。いつ行っても参拝をなんとか争点にしようとか、混乱させようとか、騒ぎにしようとか、国際問題にさせようとする勢力があるんです。
これに対して「いけない」と言ったって日本は言論の自由が認められてるんですからどうにもなりません。
ですから、いつ行っても、こういう騒ぎにしようという勢力はあるんですから。それは8/15に行っても、適切じゃないかなと。
また、むしろこだわってるのはね、毎回こだわろうという勢力はいるんですよ。私はこれまで、靖国神社の問題も質問されない限りは答えたことがないんですよ。自ら靖国問題をこうだああだと言ったことはなくて、いつも皆さん(といって、報道陣を見回す。「皆さん=マスコミ」のニュアンス)の質問に答えて言ってるわけです。
いろいろな説明や他のことも言いたいんですけど、いちばんマスコミが取り上げるのは靖国参拝のことでしょ。そういうのは止めた方がいいと言っても聞かないですから。マスコミは。いつでもこだわってるのはマスコミじゃないでしょうか。或いは私に反対する方々じゃないでしょうか。
そういうのを踏まえてね。これはいつ行っても同じだな、と思いました。



(時間ですのでこれで終わりにいたします)

――来月の御退陣の前に、直接不戦の誓いと戦没者追悼の意で参拝なさっているんだということを中国韓国の首脳と直接会って理解を求めるためにご説明する意向はないですか?
総理:
今までの日中首脳会談、日韓首脳会談においてもその考えは伝えてあります。何回でも。
いつでも会えば、中国側韓国側が靖国参拝するなと言えば、いつも中国側韓国側の考えと私は違うということを説明しています。今お話ししたような考え方を説明しています。これは平行線です。
外交カードにしないと。
ひとつの条件を付けられて、これに従うか従わないか、それで首脳会談をするしないの判断をするというのは、私はよろしくないと思っています。
私はこれからも中国韓国と友好的に発展しよう、と。未来志向で考えたほうがいいんじゃないかということを、再三申し上げております。
この考えに変わりありません。

――総理大臣の立場としての参拝ということでしょうか?
総理:
総理大臣である人間小泉純一郎が参拝しているんです。

――公式な参拝ということでよろしいでしょうか?
総理:
職務として参拝しているものではありません。

――今回の参拝が総裁選に与える影響についてはどのようにお考えですか?
総理:
それは総裁候補個人の考え方と、マスコミの皆さんが争点にしたがっている面が強いですから。それ如何でしょうね。

――改めて、合祀されているA級戦犯の責任についてはどうお考えですか?
総理:
それは、戦争の責任を取って戦犯として刑を受けているわけでしょう。それはご本人達も認めてるし。それはあると思いますが、それとこれとは別です。
何回も申し上げているように、特定の人のために参拝しているんじゃないんです。戦没者全体に対してして哀悼の念を捧げるために参拝しているんです。



今言った、私は主な三点、靖国参拝を批判する人、よく考えて頂きたい。
考えは自由です。

(了)