言葉の距離「『りんご』を○○○」

 で、その内容の一部をすっごく噛み砕いて言うとですね。
 ある単語Aの「つながり」の、そのまた「つながり」の、「つながり」の、・・とやっていくと、まったく別の単語Bにたどり着くことがあって、これを「距離」といいます。 距離が近いというのは、容易に連想しやすいということです。


 たとえば「『りんご』を」という言葉があると、すぐに浮かぶ言葉は『食べる』でしょう。 こういう状態を距離が近いといいます。 人によっては『かじる』が先に浮かぶかも知れません。 その場合、“その人にとっては”『かじる』の方が『食べる』よりも近い、ということになります。 
 また、『剥く』というのも、確かに食べる上ではアリなので、納得できるでしょう。 『育てる』もまあ、そりゃそうです。 『投げる』は、あまりないけどまあ理解はできる。 これがやや近い状態。
 『揉む』となるとちょっと想像するのに戸惑いが生じ、『笑う』とか『滑走させる』となると段々解釈が苦しくなってきて、『泳ぐ』『めくる』だと訳がわからなくなる。これは、段々距離が遠い状態になっているということです。
 この「近い」ものが、「連想されやすい」もの、ということになります。 「スキーマの素」とでもいいましょうか。
(※実際には「距離」だけではなく、「実現可能性」とか「発生確率」みたいなものもあり、複合的に計算します。面倒なのでここでは略。)